バックテストの結果が実践投入した後も維持されるのか…。
フォワードテストはどれくらいの期間をとるべきなのか…。
バックテストのシグナル数は何本くらいが必要なのか…。
色々と問題は山積みですが、まずは「バックテストのシグナル本数と期間」について考えてみたいと思います。
まず、シグナルは50-100本は必要です。これは難しい話を抜きにして、本数が少ないと、統計的有意性が無くなるからです。また、-1σ、-2σのトレード結果を除外して最適化の分析をする際に、シグナル本数が少なくてはテスト自体ができません。
次に期間の問題。これは最低でも半年~一年が必要だと思います。
理由は簡単、どんなシステムだろうと、ブル相場、ベア相場、ボラティリティの高低等々「得意なケース」があるからです。ある程度の期間でテストしてやらないと、おそらく最適化は失敗するでしょう。
買い専門のシステムがブル相場で弱いわけがありません。これを考えれば、期間の長さが必要なのは自明のことかと思います。
また、日足が大陽線・大陰線になる日が多いのか、それとも十字線やカナヅチになる日が多いのかも、見逃しがちですが重要なポイントです。
理由は実に簡単、これだと最大損失が発生する時点(エントリー)で最大のポジションが立っており、最大収益が発生する時点では最小のポジションしか立っていないからです。当たり前と言えば当たり前ですね。
ただ私も含めて初心者は「利を伸ばす」ということが全くといっていいほど出来ない(もしくは戦略発想に対して過小すぎるストップロスを設定する)ので、この利食い法が生きてくるわけです。
ですのでシステムトレード派の方は「全部立て、全部切る」が原則論的にも実証的にも一番よいと思います。
私のお薦め商品は断然、日経225先物です。
流動性もよく、売りからも入れます。FXのようにショートから入るとスワップポイントを取られる、ということもありません。
手数料も1枚50円からと激安で、いきなり数ティック抜かれて始まるFXとは、これも比べものになりません。
オーバーナイトリスクがあるのは確かに問題ですが、これは逆にオーバーナイトする戦略が使えるということでもあります。
そして何より声を大にして言いたいのが、もう裁量トレードは不可能な時代になりつつある、ということです。
ある程度の流動性がある商品は、機関投資家とBNFさんのような天才、アラブの王子様にシステムトレーダーといった猛者が、ものすごい緻密さで勝機をうかがっています。そこにシステムなしで乗り込むのは、武器防具を持たずに戦争をするようなもので、とてもではありませんが命はありません。
結局、システム化するか、バイ・アンド・ホールドしかないのです。
ただバイ・アンド・ホールドは、タープ博士が言うように、戦略自体の寿命が尽きかけている気もします。
150日移動平均を使った簡単なブレイクアウトシステムが、バイ・アンド・ホールド戦略を大きく上回るパフォーマンスを上げている、という点にも注目すべきであると思います。
…とはいえこういう大勝ちがあるということは、そのうち大負けもあるということ。
厳格な仕掛けや損切りのルールがなくては、精度の高い予想法があっても勝つことは出来ません。必勝法や予想法とは、要するに「予想を利用して勝つためのメソッド」。
つまり、トレーディングシステムのことだと言えるでしょう。
ではどうやったらシステムトレードが出来るのか。
システムトレードとは「仕掛け(セットアップ)」「損切り(ロスカット)」「手仕舞い(イグジット)」のルールを、「資金管理(マネーマネジメント)」方針を厳守しつつ運用することです。
といってもDealingRoomやOmegaChartを使って、本格的にプログラム&検証が出来るなんて人は、ほんの一握りだけでしょう。普通の人はRSIやボリンジャーバンドの計算式も解りませんし(私も本を読んだから知っているだけです)、そもそもボリンジャーバンドの利用法を知っている人も希でしょう。ましてや、それをどうシステム化するのか。検証はどうするのか…頭が痛いですね。
そこで、まずは皆さんの中で、「損切り」のルールだけを明文化して、厳格に管理するなり、仮想売買をしてみてはいかがでしょうか。
損切りのルールを明文化するだけでも、成績は相当に良くなると思います。
私みたいな凡人が「効いた」と感じているのですから、騙されたと思ってやってみてください。
次回は破産確率という観点から、超簡単なマネーマネジメント戦略について書いてみたいと思います。
そのうち、私自身の学問と筆が進めば、自分が構築中のトレーディングシステムについてもご紹介します。
最近はFXが人気のようですね。為替ほどの仕手株はないので(笑)、個人的にはテクニカル主体のシステムトレーディングか、スワップをかすめ取る方法を身につけるのがいいと思っています。